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鳴門海峡でもまれた真鯛は、鳴門鯛と呼ばれる一級品。タイ網による漁のほか、世界三大潮流といわれる鳴門海峡の渦潮の周辺では、「かんこ」と呼ばれる漁船で、1尾ずつ大切に釣り上げている。
潮流の速い海域で育った真鯛は筋肉が発達し、力瘤のように膨らんだ「鳴門骨」を持つ。体重1キログラムを超える真鯛の多くに見られる特徴で、これこそが鳴門海峡で育った証拠である。ぷりぷりとした歯応えと、色鮮やかさが際立つ鳴門鯛。特に産卵を控えた春には「桜鯛」、脂の乗った秋には「紅葉鯛」とも呼ばれ、これらの時期には一層美味しくなるといわれている。
真鯛は用途が幅広く捨てるところがないといわれるが、特に頭と皮には濃い旨味があり、兜煮や皮つきの握りずしは絶品。